空き地を探す

福島白河にあるカフェの室長ブログ

福島第一原子力発電所構内の視察に参加しました

こんばんは、しつちょうです。
2月28日、福島第一原子力発電所構内の視察に参加しました。

オフサイトである楢葉や小高、国道6号沿いに行ったことはあれど、オンサイトである”いちえふ”に足を踏み入れたのは震災6年で初めてでした。

僭越ながら、所感です。

 

まず安心感を覚えたこと

1日6000人の作業員と、年間10,000人の視察者の安全管理を行う東電さんの対応は、終始ルールに則ったものでした。妥協のない規則の徹底した運用は、ここが秩序に則った空間であることを教えてくれ、安心感を覚えました。

構内滞在中の被ばく線量を携帯型端末APD(http://www.tepco.co.jp/life/elect-dict/file/a_019-j.html)で管理するのはもちろんのこと、入構・退出時には身体検査。
なお、私の被ばく線量は1時間半程度の滞在で0.01μSvでした。
 

とはいえ建屋の迫力は凄かったこと

震災で事故に至ったのは福島第一原発の1〜4号機。4つの原子炉建屋(県民にはお馴染み、水色のやつ/http://www.tepco.co.jp/life/elect-dict/file/ge_015-j.html)の状況はそれぞれ迫力ありました。
【1号機】現在建屋を覆っていたカバーは撤去されて、今日は東芝製の遠隔操作クレーンが瓦礫除去のために作動中。初めて生で見る骨組みだけの原発建屋の迫力が凄い。
【2号機】建屋パネルを保全補修したまま、開口部を作るという工事を作業員の方が寒空の下取り組んでいました。大きな建屋だからこそ、作業員の姿の迫力が凄い。
【3号機】見た目に損傷が一番激しく、そして周囲の空間線量も高い。バスで建屋脇を通過するだけ(10数秒)なので、多少空間線量が高くとも身体に影響はないと考えられるのですが、それでも普段見慣れない1500μSv/hという数字を聞くのは結構緊張感がありました。みるみる増える数字の迫力が凄い。
(敷地内の空間線量サーベイマップはウェブで公開/http://www.tepco.co.jp/decommision/news/data/sm/images/f1-sv2-20170224-j.pdf
【4号機】
4号機は一番廃炉作業が進捗していて、使用済み燃料プールから全ての燃料が取り出されています。作業用に建造されたグレーの鉄骨(東京タワー1本分の鉄と言っていた)の迫力が凄い。
 

現場の熱量

これは予想以上でした。今回の一番感じたことです。放射線の管理ルールも、使用されている機材や技術も、現在の科学技術と震災後のリスクマネジメント蓄積の結晶。東電・協力企業・研究機関らの巨大な組織群が投入している人的・知的資源量に圧倒されます。つまり、ここは後片付け(悪く言えば尻拭い)の現場でありながら、新しい技術やイノベーションを生みうる場所なのだと感じました。決してここは後ろ向きではなく、将来性のあるひとつの職場だということです。それこそ、夢のエネルギー原子力発電が、はじめて日本にできるときのような。(当時のことは史料でしかわからないので、これは完全に主観的推測ですが。)
東電以下巨大組織が資源を投資してもなお山積する課題(放射性廃棄物の最終処分や核燃料デブリの取り出しなど)は、事故がいかにシビアなものなのかを語るものです。しかし、浜通りを技術革新の起こる自立的な地域として復興する”イノベーションコースト構想”(http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list275-1006.html)が、地に足ついた、そして現場のニーズと地域社会の持続可能性に直結するものなのではないか、と視察を通じて考えることが出来ました。
 

最後に

東京電力福島復興本社の石崎さんとの質疑の時間がありました。先日の福島高校生徒による福島第一原子力発電所の視察(http://www.fukushima-h.fks.ed.jp/jo6xrtbdf-28/)について、福島高校の生徒さんの言葉を紹介していただきました。

彼らがフランスを訪れ、現地の高校生と交流した時に、「福島ってどうなっているの?」と聞かれ、何も答えることができなかった。悔しく思った。そのときに、福島県人として、原発を見てみたいと思うようになった。

 

以上のような趣旨でした。
 
原発から山地を挟んで50km以上離れた中通りに居住する10代であっても、県外に出れば「福島出身者」です。「福島ってどうなの?」という問いに、確固たる回答があるとは思えませんが、それでも自身の言葉で、自身の地域を(そこで起きている世界史的事件を)語ること。それは、責務であり、自覚であり、保身であると思います。
 
真偽と実態は報道を通じてしかわかりませんが、現在でも避難者いじめがあるという報道(例えば:http://www.huffingtonpost.jp/nobuto-hosaka/fukushima_b_13000030.html)が相次いでいます。地域出身者が、自身の地域について語る言葉を持つことを、もっと支援していきたいと思う次第です。
 
さらに最後に、参考書をあげておきます 。本を買うほどでもない、という方にはハフィントンの記事もわかりやすいです。
福島第一原発廃炉図鑑

福島第一原発廃炉図鑑

 
  
いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

 
 
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